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グローバル時代の教養

こんにちは。
個別教育リバースです。

グローバル化に対応しないと日本は生き残れないとメディア等で言われています。
では、グローバル時代にはどのような知識・教養が必要なのでしょうか。

それは英語のスピーキング力などではなく、「哲学・宗教」に他なりません。
哲学者の小川仁志氏は、以下のように述べています。
「フランスでは哲学は高校で必修になっており、大学入学資格を得るための全国統一試験バカロレアで、全員が難問に対峙しなければならないのです。しかも日本のセンター試験とは異なり、この哲学の問題は、自由や平等の意味について、数時間もかけて考えさせる仕組みになっています。本当に哲学させられるのです。」(小川仁志『教養としての哲学』PHP文庫、2018年、P6)
「哲学」は、欧米人の思考の基盤となっています。「哲学」を学ばずにグローバル化を叫んでも、欧米人には相手にされないのです。

もう1つのグローバル時代の教養として大切なのが「宗教」です。これは欧米人の思考・生活の全般を規定しています。例えばドイツには「教会税」がありますし、アメリカ大統領は就任式で「聖書」に手を置いて宣誓をします。イスラム社会だけではなく、欧米社会も「宗教」に根差した社会なのです。
 日本では、キリスト教の神(ゴッド)とイスラム教の神「アッラー」を別物と誤解している人が大勢います。キリスト教とイスラム教は同じ中東地域発祥の「一神教」であり、これにはユダヤ教(神は「ヤハウェ」)も含まれます。
これら3宗教の神(ゴッド)はすべて同じ神のことです。アラビア語で神(ゴッド)のことを「アッラー」、ヘブライ語で神(ゴッド)を「ヤハウェ」と呼ぶのです。イエス=キリストは神(ゴッド)のことではありません。

欧米人との会話で「アッラーは悪い」などと言ったら、それはキリスト教の神(ゴッド)を侮辱しているのと同じことになるのです。
欧米人にとって「常識」のことがなぜ日本では誤解されているのでしょうか。中学校の歴史教科書で「イスラム教」のページを読んでみると、「ユダヤ教、キリスト教を基に」(東京書籍、P31)、「ユダヤ教、キリスト教の影響を受け」(帝国書院、P19)などと控えめに表現されていました。これでは深く内容を理解できないでしょう。

もちろん知っている方もいらっしゃるとは思いますが、この知識があるだけで国際ニュースの見方が変わってくると思います。次は、欧米人に「寺院と神社」の違いを説明してみたくなりませんか?

スタディサプリの衝撃

こんにちは。
個別教育リバースです。

本日は、映像授業について取り上げます。かつては代々木ゼミナールのサテライン講座が全盛でした。それが今では、現役高校生にターゲットを絞った東進衛星予備校が全国を席巻しています。林修氏がメディアに登場し始めてからその勢いに拍車がかかっているようです。それ以外にも河合塾ナマビス、学研プライムゼミなど大手のものや中小の塾・予備校のものなど映像授業は飽和状態となっています。
そんな中、リクルートが2012年から受験サプリの名称で配信を開始した「スタディサプリ」が教育業界に革命を起こしています。

何がそんなにすごいのかというと、①価格が安い(1ヶ月980円税別)
②個人申込みで自宅視聴できる ③プリントアウトするならテキスト代が無料(製本のものは有料)④小4~高3までの全教科、英検、公務員試験、簿記、教養講座が見放題

なぜこんなに安くできるかというと日本最大の情報関連会社リクルートのスケールメリットを活かして運営されているからです。リクルートのメリットとして、優秀な高校生の個人データを多く収集し、就職・転職時の顧客として囲い込むのが狙いと考えられます。

作家の佐藤優氏が推薦していたのと『ドラゴン桜2』で取り上げられていたので、私も登録してみました。視聴した感想としては、講義レベルは高く、東進衛星の講師と遜色ないという印象です。(東進衛星講師の教え方は主に参考書での比較です。)

本当に革命的です。やる気があれば、日本全国どこでも低価格で質の高い講義が受けられます。『ドラゴン桜2』第3巻巻末には「スタサプ」のみで難関大学に合格した大学生の座談会を載せています。また、一部の公立高校では大学受験対策として「スタサプ」を推薦しているようです。

もちろんデメリットもあります。①価格が安いので登録したまま視聴しない。
②1講義がチャプターごとに区切られて確認テストもあるが、長時間視聴し続けると眠気を感じる。
つまり、学力の高くない生徒は途中で投げ出すか、視聴しても眠たくなり講義の内容が定着しない可能性が高いです。

リバースでも高校生には「スタサプ」を推奨しています。個別指導で行う授業と「スタサプ」授業の両方が生徒にとって効果的だからです。おそらく「東進衛星」と「スタサプ」以外の映像授業は淘汰される可能性が高いと私は見ています。その時、個別指導との相性、使いやすさ、生徒さんの利便性を考えた時にリバースでは「スタサプ」を徹底活用しようと考えています。もちろん途中で投げ出さないように進捗チェックを行い、質問にも対応していきます。

国語について(古典編)

こんにちは。
個別教育リバースです。

9月以降も保護者様に有益な教育情報をお届けしたいと思います。
本日は、「評論編」「小説編」に続き(古典編)をお届けします。

古典には、「古文」「漢文」があります。高校受験では両方出題されますが、大学受験では圧倒的に「古文」が大事です。さらに「古文」には「擬古文」と呼ばれる明治時代の文章もありますが、ここでは主に平安時代の文章を「古文」と思ってください。

古文が苦手な中学生・高校生は非常に多いです。原因として、中学校では古文の授業がほとんどないこと、「古典文法」を学ぶ機会が少ないことが考えられます。そして、高校に入学してから初めて本格的に「古典文法」を学びます。しかし中学時代の「国文法」の理解が不十分なため、高校生にも理解しづらいものとなっています。

古文が読めるようになるためには、

①古典文法を覚えること
②古文単語を覚えること 
③古典常識を覚えること
この3つしかありません。

①はたとえば、童謡『ふるさと』の出だし部分「兎(うさぎ)追いかの山~」の「し」は、過去の助動詞「き」の連体形です。意味は「ウサギを追ったあの山」になります。
「かの山」は体言(名詞)なのでその上は、連体形になります。接続と活用が重要です。
②はたとえば、古語で「ののしる(罵る)」という単語があります。意味は、「大声で騒ぐ、評判になる」です。現代語とは意味が全く違います。このような単語を中心に覚えれば、後は現代と同じ意味の語が多いので古文が読めます。
③はたとえば、「更衣」や「女房」の意味を知らないと正確な読解ができません。「更衣」は身分の低い天皇の妃「女房」は宮中や貴族の家に使える女性。更衣室=着替える場所、奥さんとは全く違います。

古文は、国語の中に含まれていますが、文法・単語を覚えなければならない以上、外国語と同じです。地道に学習すれば必ず出来るようになります。

国語について(小説編)

こんにちは。
個別教育リバースです。

本日は、前回の「評論文」に続いて「小説」について取り上げます。
(*文学的文章を中学高校受験では「物語文」、大学受験では「小説」と呼ぶ傾向があります。)

「評論文」と同様に、入試小説(物語文)も問題文は小説本の一部から切り取られています。中学高校受験では必ず出題されますが、大学受験では現行センター試験と一部国公立大学2次試験に出題されるのみです。
そのため、大学受験用の現代文の参考書、問題集では「小説」に特化したものは見受けられません。(『ちくま小説入門』『ちくま小説選』などの高校生用作品集はあります。)
しかし、新学習指導要領では「文学国語」が科目として新設される予定です。それにより、私立大学でも小説の出題が増える可能性があります。

趣味で小説を読むのと、入試小説を解くのは何が違うのでしょうか?よく言われるのは、センター試験現代文小説の問題文筆者が設問を解いたとしても、満点が取れないというものです。「文学としての小説」は読む人が自由に内容を解釈することが許されています。一方、「入試小説」では読解の決まりごとが隠されているというのです。

「そう教室ではたった一つのことしか言ってはいけないのだ。道徳的に正しいことだけを。国語も同じだ。【中略】現実にはたった一つの枠組でしか小説を読んではいないのである。
【中略】入試国語は具体的な場を持たない学校空間、すなわち「学校性」とでも言いたくなるような学校空間の本質が露わになる装置なのである。入試国語は紙の上の学校空間なのだ。」(石原千秋『大学受験のための小説講義』ちくま新書、2002年、P53 太字は引用者

中学高校受験の物語文では、いじめを肯定するや性的な内容の文章は絶対に出題されません。大学受験の小説でもほぼ同様です。(大学受験の小説問題ではまれに設問部分に性的な内容を暗示する選択肢が出てきます。いわゆるフロイト関係の文脈で)
本を読むのは好きだけど、物語文(小説)が苦手というお子さんには是非上記のことを教えてあげてください。石原氏の指摘する「道徳的に正しいこと」を意識するだけで驚くほど小説問題の正答率は上がります。

国語について(評論編)

こんにちは。
個別教育リバースです。

国語はよく「すべての教科の土台」と言われます。国語力(日本語力)がないと、他の教科の成績も伸びにくい傾向にあります。なぜなのでしょうか。それは我々の母語が日本語であり、日本語で思考しているからです。国語の中で直接に思考力と関わるのが「評論文」です。「論理」を文字・数字で表したものが「数学」、言葉で表したものが「評論文」となります。

本日は、国語の中でもっとも大切な「評論文」について考えてみたいと思います。
(*説明的文章を中学高校受験では「論説文」、大学受験では「評論文」と呼ぶ傾向があります。)

国語の入試評論文では、他の教科ではほとんど起こりえない現象が起こります。何かお分かりでしょうか。それは、中学受験でも高校受験でも大学受験でも同じ文章が出題される可能性が高いということです。兵庫県公立高校入試の国語の論説文(2013年と2015年)と同じ文章の箇所が早稲田と関西学院に出題されました。設問は違います。

(*早稲田と関西学院の出題年度は忘れましたが、私が過去に高3生に指導しました。上記にほとんど起こりえないと書いたのには理由があります。たとえば、2003年の東京大学の入試問題では、「円周率は3.05より大きいことを証明せよ。」が出題されました。また、2016年の兵庫県公立高校入試の社会の大問3の(4)ではセンター試験の現社に出る問題、「比例代表制のドント式」について出題されているからです。)

なぜこのようなことが起こるかというと、入試評論文の問題文は評論が書かれた本の結論部分から切り取られているからです。
もちろん高校入試と大学入試の古文・漢文でも同様のことがあります。しかし、中学では古典文法をまだきちんと教えていないので、高校入試では易しい文章からしか出題されません。
難関中学入試の国語の問題が、国公立2次の問題より難しい場合があるとは認識していました。しかし、公立高校入試の国語の問題も難化しており、大学受験レベルに近づいています。兵庫県に限って言えば、2015年度の学区再編により明らかに国語が難しくなりました。2020年以降の大学入試改革を見据えた対応だと考えられます。

朝食を食べると成績は良くなるのか?

こんにちは。
個別教育リバースです。

以前、朝食を食べる子どもの成績がいいので「早寝早起き朝ごはん」という標語が流行ったことがありました。百マス計算で有名な隂山英男氏は自身のHPで以下のように述べています。

「本当に学力がある子は、早く寝て、早く起き、そして朝ごはんをしっかりと食べています。集中力も高く、学習もサッサとやってしまう能力も身につけているのです。つまり、頭が良いから早く寝ているのではなく、早く寝ることによって頭を良くしていたのだと考えられます。」(http://kageyamahideo.com/?page_id=83 2019年8月20日アクセス)

隂山氏は、「早く寝ること」が原因で、その結果、「頭を良くしていた」と学力を「因果関係」で捉えています。しかし、はたしてそうでしょうか。「早く寝ること」は「頭を良くしていた」ことの原因の1つ、すなわち「相関関係」なのではないでしょうか。

相関関係とは、「データ上、何かが変わると、それに合わせて別の何かも変わるというだけの意味」です。(水谷淳『科学用語図鑑』河出書房新社、2019年、P152)
水谷淳氏は、「【中略】データを見ると、確かに朝食を食べる子供のほうが成績が良いらしい。つまり相関関係はある。【中略】実際には、「親のしつけが良い」といった別の原因があって、それによって「朝食を食べる」と「成績が良い」という2つの結果がもたらされたのだと考えられる。つまり、ほかに共通の原因があるから相関関係が成り立っているだけだということだ。このようなケースを“疑似相関”という。」(同上P153)と述べています。
「親のしつけが良い」という別の原因に言及した水谷氏の方に説得力があります。
学力とは、暗記力、理解力、反復力、考え抜く力、やり抜く力などの「総合力」です。
もちろん、学力以前に「夜更かしをさせない」などの「親のしつけ」は不可欠です。You Tubeの見過ぎで睡眠時間が短ければ、学校の授業にも集中できません。そういう意味での「早寝早起き朝ごはん」は子どもに必要だと思います。

算数・数学が苦手な数学教師はいるか?

こんにちは。
個別教育リバースです。

英語を長年教えて来た講師の立場から言えることがあります。英語という科目は、「教える側も教わる側もわからなければ誤魔化せる」ということです。言い換えれば、英語の内容を分かっていない教師はその内容を生徒に暗記させてわかったつもりにさせるということです。
講師応募者で、英語が得意と自らおっしゃる方で英語のできる大学生に出会ったことがありません。英文の構造や文法が分かっていない方が大半でした。
それに対して数学は、問題が解けなければ分かっていないことが明白な科目です。そのため、学校や塾の算数・数学の先生は数学が出来る人がなるものと我々は思っています。

しかし、『分数ができない大学生』の執筆者の1人である芳沢光雄氏は、一部都道府県における教員採用数の激増について「ゆとり世代」の新卒者が大半を占めているとして以下のように述べています。

「もちろん、実質競争率が低く、試験問題は主にマークシート式である。つまり、算数があまり分かっていない者でも続々と小学校の教壇に立って教えているということである。速さや濃度の応用問題が解けないのは言うに及ばず、中には『3つの角度が全部異なる二等辺三角形がある』と生徒の前で平然と言ってのける教員までもいる。某都道府県の複数の採用担当者から直々に聞いたことであるが、『実質競争率が1倍ちょっとの現状では、算数ができない中でほんの少しできると思われるものをギリギリの採用基準としている』という現実がまかり通っているのだ。」(芳沢光雄『論理的に考え、書く力』光文社新書、2013年、P144)

このような人たちには、「中学校と高校では全く数学を学ばないで私立大学に入学」(同上P144)し、教員免許を取得し、「採用試験を堂々と受けに行く者が多くいる」(同上P144)そうです。

衝撃的な内容です。まさか算数の出来ない教師が小学生に算数を教えているとは、、、、、、
さらに芳沢氏は、「小学校教員に関しては赤信号、中学・高校の数学教員に関しては黄信号が点滅している状態であると断言できる」(同上P143)と述べています。

リバースの講師採用率は、15%以下です。学力と人間性の2つを兼ね備えた人ばかりです。安心して受講していただけたらと思います。

円周率3.14って何のこと??

こんにちは。
個別教育リバースです。

円周率という言葉について、生徒に尋ねると「3.14」という答えがよく返ってきます。
これは大学生でも同様のことのようです。数学教育の第一人者の芳沢光雄氏は以下のように述べています。

「小学校の算数教科書には、『円周(の長さ)÷ 直径』によって円周率を定義することが書かれている。ところが、現在の文系大学生に『円周の定義、すなわち円周率という言葉の約束を述べてください』と質問すると、有名私立大学でも正解率は1割以下となる。圧倒的に多くある間違いは『3.14』である。」(芳沢光雄『論理的に考え、書く力』光文社新書、2013年、P33-P34)

円周率 = 円周(の長さ)÷ 直径 なので、 円周(の長さ)= 直径 × 円周率 となります。すなわち、円周率とは、円周(の長さ)は直径の何倍か を表す数、と定義できます。「3.14」の単位は、「3.14倍」なのです。

「定義」という言葉は中学に入ってから数学でよく出てきます。言葉の定義をしっかり理解していないと、算数・数学を本当に理解することは出来ないのです。これは英語や国語でも同じです。

リバースではどんな教科でも、言葉の「定義」を重視した指導を行っています。そうすることが、思考力と応用力を身に付ける近道なのです。わたしたちと一緒に暗記ではない、本当の勉強をしましょう。

成績向上の最大のカギ②(学習の定着)

こんにちは。
個別教育リバースです。

以前、成績向上の最大のカギとして「観察力=気づく力」について書きました。
1つ大事なことを書き忘れていました。それは、「学習の定着」についてです。

「観察力=気づく力」以前に、学校や塾で習ったことを自分の知識・学力とするためには「学習の定着」が欠かせません。どんなにいい授業をして、生徒さんに満足してもらっても習ったことが「定着」しないと意味がないのです。
授業中の理解度は高いのに次の週に同じ問題をやっても出来ない生徒さんがいます。前に習ったことをすっかり忘れているのです。では、どうすればいいのか?

答えは簡単です。「忘れる前に覚える」しかありません。
有名なエビングハウスの忘却曲線によると、

人が何かを学んだ時、

  • 20分後には42%忘れる
  • 1時間後には56%忘れる
  • 9時間後には65%忘れる
  • 1日後には66%忘れる
  • 2日後には73%忘れる
  • 6日後には75%忘れる
  • 1ヶ月後には79%忘れる

 

と言われています。
しかし、授業後1日以内、1週間以内、1ヶ月以内に復習すれば、学んだ内容をほとんど覚えていることができます。上記は、理想的な復習のタイミングなのです。

他の効果的な方法は、「1時間後には56%忘れる」 特性を活かして、「帰宅後すぐに勉強内容の見直し」を行うことです。音読、黙読、どのような方法でも構いません。これだけで驚くほど学習内容が定着するようになります。
リバースでは生徒さんの「学習の定着」を計るために、継続的に見直しを行うことを指導しています。もちろん「学習の定着」の確認のためにチェックテストを実施しています。

英語教育改革は必ず失敗する

こんにちは。
個別教育リバースです。

前回、小学英語(早期英語教育)を取り上げました。
今回は、英語4技能を含む英語教育改革について私の意見を述べます。

私が一番問題だと思うのは、
中学・高校の英語の授業を英語で行うこと、です。

賛成の人の意見として、
グローバル社会なのだから、英語で考え英語を使って活躍する人材を育成することは日本にとって必要不可欠である。現に、大手企業ではTOEICの点数を昇進の条件にしたり、社内公用語を英語にしているところもある。だから、英語4技能に対応した英語教育を英語で行う必要がある。

これには、以下の反論が考えられます。

①リーディング(読解)力がない状態では、他の3技能(リスニング・ライティング・スピーキング)を学んでも英語力は絶対に伸びない。
②大学で専門科目の授業を英語で行わない限り、英語4技能の力を維持するのは難しい。そもそも日本は他国の植民地になったことがないので、高等教育は自国語(日本語)で行うことができる。だから、英語で専門科目を教える意味はない。
③日本語で行う専門科目の授業内容を100%学生に伝えるのは難しい。ならば、英語で行う授業でその内容が学生にほとんど伝わらないのはなおさらである。
④社内公用語を英語にするような企業で働く人は全勤労者の何%なのか。ほとんどの人の日常生活に英語は必要ないのではないか。

ご興味のある方は、昨日言及した江利川春雄さんや鳥飼玖美子さん(NHKニュースで英会話元講師)の本を読んでみてください。非常に説得力があります。江利川さんの本には、大正時代の入試への英会話導入(「オラル・テスト」)の失敗についても書かれておりとても参考になります。

参考図書
鳥飼玖美子『英語教育の危機』ちくま新書、2018年
江利川春雄『受験英語と日本人-入試問題と参考書からみる英語学習史』
研究社、2011年