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誤解している教育用語・教育情報

こんにちは。
個別教育リバースです。

今日は、みなさんが誤解して使っている教育用語・教育情報について取り上げます。
どれくらい正しく理解しているかご確認ください。

「お受験」 ⇒ たまに「中学受験」のことを「お受験」という方がいらっしゃいます。
「中学受験」は「中入試」または「中受」と略されることが多いです。「お受験」とは、「小学校入試」のことを指します。

「最高学府」 ⇒ メディア等でも「東京大学」のことと誤って使われることの多い用語です。「最高学府」とは、「学問を学ぶ最高の機関としての大学。(特に、大学の数が少なかった旧制度下における旧帝大や一部の私立大学の異称)」(新明解国語辞典)のことです。もちろん「旧帝大や」とありますので「東京大学」もこの中に含まれています。

「東大を首席で卒業」 ⇒ 私も最近まで「首席は成績上位5人くらいまでと誤解」していました。自らも東大首席卒の元財務官僚・国際弁護士の山口真由氏は以下のように述べています。
 「東大では、『優』は成績上位3分の1に与えられます。ということは、定期試験の点数でトップを狙わずとも、すべての科目で上位3分の1に入ることを目指せばよいのです。」(山口真由『東大首席が教える超速「7回読み」勉強法』PHP文庫、2017年、P118)
 つまり、山口氏はすべての科目で成績上位33%以内に入ったので「優」が取れ、首席になれたのです。東大首席を売りにする人が多い理由がわかります。

「留学はすごい」の誤解 ⇒ まず、留学には「語学留学」と「正規留学」があります。
「語学留学」は英語力がなくてもお金さえあれば誰でもできます。次に「正規留学」です。例えば、アメリカの大学数は4,000校以上あり(日本は780校以上)、ピンからキリまで様々な大学が存在します。特に注意が必要なのは「州立大学」です。日本の国公立大学と同じではありません。本当にレベルの高い州立大学もあれば、移民に読み書きを教える日本の夜間工業高校のような誰でも入れる大学もあります。後者に入学した場合、当然就職には不利になります。(詳しくは、栄陽子『留学で人生を棒に振る日本人』扶桑社新書、2007年を参照してください。)
また、卒業できなければ全く評価されません。日本のように「東大中退」を評価する国はまれです。もしみなさんの周りにやたら留学を自慢する人がいたら、次のことを確認してください。何大学を卒業したのか?学位は何か? 大学名がわかればどんな大学か調べることができ、大学のレベルを確認することもできます。もしこれにきちんと答えず誤魔化す人なら、信用できないと言わざるを得ません。

英語民間試験活用~世紀の愚策の行方~

こんにちは。
個別教育リバースです。

9月18日(水)に日本英語検定協会による新型英検「S-CBT」のネット予約が始まったという報道がありました。(9月19日(水)朝日新聞朝刊)GTECと並んで多くの受験生が申し込む可能性の高い英語民間試験のため注目が集まっています。しかし、すでに多くの混乱や不満が噴出しているようです。
また、大学入学共通テストで英語民間試験を活用することに「問題がある」と考える大学・高校がそれぞれ65%・89%との調査結果も出ています。(9月16日(月)朝日新聞朝刊1面、河合塾との共同調査「ひらく 日本の大学」)

以前に当サイトでも「英語教育改革は必ず失敗する」のタイトルで記事を書いています。
英語民間試験をすべての受験生に課すのは、本当に問題だらけです。英語教育を実践している現場の9割の高校が「問題がある」と回答しているのが何よりの証拠です。
まさに世紀の愚策としか言いようがありません。

英語民間試験のデメリットは、
①入試の受験料とは別に金銭負担が発生する
②高3の4月~12月の間に2回受けられるが、高3以前に受けたスコアは提出できない。
③スピーキング試験は帰国子女が圧倒的に有利
④離島・僻地の高校生は受験会場へのアクセス等で不利
⑤高校の英語授業が英語民間試験対策になってしまう
などがあります。

ただし勘違いされては困るのですが、私は今回の2021年以降の大学入試改革の方向性についてはおおむね賛成です。例えば、大学入学共通テストで数学Ⅰと国語に記述が導入されるのや英語リスニングの配点がリーディング(筆記)と同じ点数になることには賛成です。

私の考えは、英語民間試験を活用することをやめ、大学入学共通テストの英語の試験にライティングを導入するのが一番いいと思います。数学Ⅰと国語に導入するのですから、英語に記述を組み込んでもいいはずです。スピーキングの試験を導入しなくても、ライティングだけで受験生の英語力は完璧に測ることができます。「書けないのにしゃべれる」ということは絶対にありません。

日本の大学の講義や企業の社内会議をすべて英語で行うことを法律で義務付けるならば、英語民間試験活用は必要かもしれません。しかし、ほとんどの国民は上記に反対するはずです。中止は難しいですが、延期を含め文部科学省の賢明な判断を期待します。

北極の氷が溶けると海水面が上昇する??

こんにちは。
個別教育リバースです。

今日は、理科について取り上げます。今回で5教科すべて1つは取り上げました。
現在、二酸化炭素などの「温室効果ガス」の影響で地球の平均気温が上昇して「地球温暖化」が進行していると言われています。実際、日本の夏は年々暑くなっている印象です。

しかし、現在は地球規模の歴史で見ると、「氷河時代」の「間氷期」に相当します。北極や南極に「氷床」がある時代が「氷河時代」なのです。地球の歴史では、「スノーボールアース(雪玉地球)」に何度かなったり、また恐竜の絶滅の原因は隕石衝突による急激な気温低下と言われています。(石渡正志、滝川洋二編『発展コラム式 中学理科の教科書、改訂版、生物・地球・宇宙編』講談社ブルーバックス、2014年、P142~P145)
すなわち、「温暖化」ではなく「寒冷化」こそが生物の絶滅に深く関わっていた可能性が高いのです。

温暖化の原因は諸説あり、原因を1つに決めることは難しそうです。中学理科の教科書には、「地球温暖化が進むと、海水面が上昇して低地が水没したり、洪水や干ばつなどがふえたりするといわれている。」(『サイエンス3』啓林館、P222)として、「図21とける北極海の氷」の写真が載っています。

あきらかにミスリードの写真です。南極大陸やグリーンランドの陸地部分の氷が溶ければ、それによって「海水面が上昇して低地が水没」するかもしれません。
しかし、北極は巨大な氷のかたまりです。グラスの飲み物に入った氷が溶けても、水があふれ出ることはありません。水が個体から液体になると体積が減るためグラスの水があふれ出ることはありません。

「とける南極大陸の氷床」の写真なら適切ですが、上記の理由から「とける北極海の氷」の写真は不適切です。教科書以外の参考書にも、北極海の氷がとけることで「海水面が上昇して低地が水没」との記述が散見されます。
このように、小学生の理科の知識があれば教科書の間違いでも見つけることができます。
義務教育って本当に大切で役に立つと実感できる瞬間です。
ただ私は理科の専門家ではありませんので、もし間違っていれば指摘してください。

グローバル時代の教養

こんにちは。
個別教育リバースです。

グローバル化に対応しないと日本は生き残れないとメディア等で言われています。
では、グローバル時代にはどのような知識・教養が必要なのでしょうか。

それは英語のスピーキング力などではなく、「哲学・宗教」に他なりません。
哲学者の小川仁志氏は、以下のように述べています。
「フランスでは哲学は高校で必修になっており、大学入学資格を得るための全国統一試験バカロレアで、全員が難問に対峙しなければならないのです。しかも日本のセンター試験とは異なり、この哲学の問題は、自由や平等の意味について、数時間もかけて考えさせる仕組みになっています。本当に哲学させられるのです。」(小川仁志『教養としての哲学』PHP文庫、2018年、P6)
「哲学」は、欧米人の思考の基盤となっています。「哲学」を学ばずにグローバル化を叫んでも、欧米人には相手にされないのです。

もう1つのグローバル時代の教養として大切なのが「宗教」です。これは欧米人の思考・生活の全般を規定しています。例えばドイツには「教会税」がありますし、アメリカ大統領は就任式で「聖書」に手を置いて宣誓をします。イスラム社会だけではなく、欧米社会も「宗教」に根差した社会なのです。
 日本では、キリスト教の神(ゴッド)とイスラム教の神「アッラー」を別物と誤解している人が大勢います。キリスト教とイスラム教は同じ中東地域発祥の「一神教」であり、これにはユダヤ教(神は「ヤハウェ」)も含まれます。
これら3宗教の神(ゴッド)はすべて同じ神のことです。アラビア語で神(ゴッド)のことを「アッラー」、ヘブライ語で神(ゴッド)を「ヤハウェ」と呼ぶのです。イエス=キリストは神(ゴッド)のことではありません。

欧米人との会話で「アッラーは悪い」などと言ったら、それはキリスト教の神(ゴッド)を侮辱しているのと同じことになるのです。
欧米人にとって「常識」のことがなぜ日本では誤解されているのでしょうか。中学校の歴史教科書で「イスラム教」のページを読んでみると、「ユダヤ教、キリスト教を基に」(東京書籍、P31)、「ユダヤ教、キリスト教の影響を受け」(帝国書院、P19)などと控えめに表現されていました。これでは深く内容を理解できないでしょう。

もちろん知っている方もいらっしゃるとは思いますが、この知識があるだけで国際ニュースの見方が変わってくると思います。次は、欧米人に「寺院と神社」の違いを説明してみたくなりませんか?

スタディサプリの衝撃

こんにちは。
個別教育リバースです。

本日は、映像授業について取り上げます。かつては代々木ゼミナールのサテライン講座が全盛でした。それが今では、現役高校生にターゲットを絞った東進衛星予備校が全国を席巻しています。林修氏がメディアに登場し始めてからその勢いに拍車がかかっているようです。それ以外にも河合塾ナマビス、学研プライムゼミなど大手のものや中小の塾・予備校のものなど映像授業は飽和状態となっています。
そんな中、リクルートが2012年から受験サプリの名称で配信を開始した「スタディサプリ」が教育業界に革命を起こしています。

何がそんなにすごいのかというと、①価格が安い(1ヶ月980円税別)
②個人申込みで自宅視聴できる ③プリントアウトするならテキスト代が無料(製本のものは有料)④小4~高3までの全教科、英検、公務員試験、簿記、教養講座が見放題

なぜこんなに安くできるかというと日本最大の情報関連会社リクルートのスケールメリットを活かして運営されているからです。リクルートのメリットとして、優秀な高校生の個人データを多く収集し、就職・転職時の顧客として囲い込むのが狙いと考えられます。

作家の佐藤優氏が推薦していたのと『ドラゴン桜2』で取り上げられていたので、私も登録してみました。視聴した感想としては、講義レベルは高く、東進衛星の講師と遜色ないという印象です。(東進衛星講師の教え方は主に参考書での比較です。)

本当に革命的です。やる気があれば、日本全国どこでも低価格で質の高い講義が受けられます。『ドラゴン桜2』第3巻巻末には「スタサプ」のみで難関大学に合格した大学生の座談会を載せています。また、一部の公立高校では大学受験対策として「スタサプ」を推薦しているようです。

もちろんデメリットもあります。①価格が安いので登録したまま視聴しない。
②1講義がチャプターごとに区切られて確認テストもあるが、長時間視聴し続けると眠気を感じる。
つまり、学力の高くない生徒は途中で投げ出すか、視聴しても眠たくなり講義の内容が定着しない可能性が高いです。

リバースでも高校生には「スタサプ」を推奨しています。個別指導で行う授業と「スタサプ」授業の両方が生徒にとって効果的だからです。おそらく「東進衛星」と「スタサプ」以外の映像授業は淘汰される可能性が高いと私は見ています。その時、個別指導との相性、使いやすさ、生徒さんの利便性を考えた時にリバースでは「スタサプ」を徹底活用しようと考えています。もちろん途中で投げ出さないように進捗チェックを行い、質問にも対応していきます。

国語について(古典編)

こんにちは。
個別教育リバースです。

9月以降も保護者様に有益な教育情報をお届けしたいと思います。
本日は、「評論編」「小説編」に続き(古典編)をお届けします。

古典には、「古文」「漢文」があります。高校受験では両方出題されますが、大学受験では圧倒的に「古文」が大事です。さらに「古文」には「擬古文」と呼ばれる明治時代の文章もありますが、ここでは主に平安時代の文章を「古文」と思ってください。

古文が苦手な中学生・高校生は非常に多いです。原因として、中学校では古文の授業がほとんどないこと、「古典文法」を学ぶ機会が少ないことが考えられます。そして、高校に入学してから初めて本格的に「古典文法」を学びます。しかし中学時代の「国文法」の理解が不十分なため、高校生にも理解しづらいものとなっています。

古文が読めるようになるためには、

①古典文法を覚えること
②古文単語を覚えること 
③古典常識を覚えること
この3つしかありません。

①はたとえば、童謡『ふるさと』の出だし部分「兎(うさぎ)追いかの山~」の「し」は、過去の助動詞「き」の連体形です。意味は「ウサギを追ったあの山」になります。
「かの山」は体言(名詞)なのでその上は、連体形になります。接続と活用が重要です。
②はたとえば、古語で「ののしる(罵る)」という単語があります。意味は、「大声で騒ぐ、評判になる」です。現代語とは意味が全く違います。このような単語を中心に覚えれば、後は現代と同じ意味の語が多いので古文が読めます。
③はたとえば、「更衣」や「女房」の意味を知らないと正確な読解ができません。「更衣」は身分の低い天皇の妃「女房」は宮中や貴族の家に使える女性。更衣室=着替える場所、奥さんとは全く違います。

古文は、国語の中に含まれていますが、文法・単語を覚えなければならない以上、外国語と同じです。地道に学習すれば必ず出来るようになります。

国語について(小説編)

こんにちは。
個別教育リバースです。

本日は、前回の「評論文」に続いて「小説」について取り上げます。
(*文学的文章を中学高校受験では「物語文」、大学受験では「小説」と呼ぶ傾向があります。)

「評論文」と同様に、入試小説(物語文)も問題文は小説本の一部から切り取られています。中学高校受験では必ず出題されますが、大学受験では現行センター試験と一部国公立大学2次試験に出題されるのみです。
そのため、大学受験用の現代文の参考書、問題集では「小説」に特化したものは見受けられません。(『ちくま小説入門』『ちくま小説選』などの高校生用作品集はあります。)
しかし、新学習指導要領では「文学国語」が科目として新設される予定です。それにより、私立大学でも小説の出題が増える可能性があります。

趣味で小説を読むのと、入試小説を解くのは何が違うのでしょうか?よく言われるのは、センター試験現代文小説の問題文筆者が設問を解いたとしても、満点が取れないというものです。「文学としての小説」は読む人が自由に内容を解釈することが許されています。一方、「入試小説」では読解の決まりごとが隠されているというのです。

「そう教室ではたった一つのことしか言ってはいけないのだ。道徳的に正しいことだけを。国語も同じだ。【中略】現実にはたった一つの枠組でしか小説を読んではいないのである。
【中略】入試国語は具体的な場を持たない学校空間、すなわち「学校性」とでも言いたくなるような学校空間の本質が露わになる装置なのである。入試国語は紙の上の学校空間なのだ。」(石原千秋『大学受験のための小説講義』ちくま新書、2002年、P53 太字は引用者

中学高校受験の物語文では、いじめを肯定するや性的な内容の文章は絶対に出題されません。大学受験の小説でもほぼ同様です。(大学受験の小説問題ではまれに設問部分に性的な内容を暗示する選択肢が出てきます。いわゆるフロイト関係の文脈で)
本を読むのは好きだけど、物語文(小説)が苦手というお子さんには是非上記のことを教えてあげてください。石原氏の指摘する「道徳的に正しいこと」を意識するだけで驚くほど小説問題の正答率は上がります。

国語について(評論編)

こんにちは。
個別教育リバースです。

国語はよく「すべての教科の土台」と言われます。国語力(日本語力)がないと、他の教科の成績も伸びにくい傾向にあります。なぜなのでしょうか。それは我々の母語が日本語であり、日本語で思考しているからです。国語の中で直接に思考力と関わるのが「評論文」です。「論理」を文字・数字で表したものが「数学」、言葉で表したものが「評論文」となります。

本日は、国語の中でもっとも大切な「評論文」について考えてみたいと思います。
(*説明的文章を中学高校受験では「論説文」、大学受験では「評論文」と呼ぶ傾向があります。)

国語の入試評論文では、他の教科ではほとんど起こりえない現象が起こります。何かお分かりでしょうか。それは、中学受験でも高校受験でも大学受験でも同じ文章が出題される可能性が高いということです。兵庫県公立高校入試の国語の論説文(2013年と2015年)と同じ文章の箇所が早稲田と関西学院に出題されました。設問は違います。

(*早稲田と関西学院の出題年度は忘れましたが、私が過去に高3生に指導しました。上記にほとんど起こりえないと書いたのには理由があります。たとえば、2003年の東京大学の入試問題では、「円周率は3.05より大きいことを証明せよ。」が出題されました。また、2016年の兵庫県公立高校入試の社会の大問3の(4)ではセンター試験の現社に出る問題、「比例代表制のドント式」について出題されているからです。)

なぜこのようなことが起こるかというと、入試評論文の問題文は評論が書かれた本の結論部分から切り取られているからです。
もちろん高校入試と大学入試の古文・漢文でも同様のことがあります。しかし、中学では古典文法をまだきちんと教えていないので、高校入試では易しい文章からしか出題されません。
難関中学入試の国語の問題が、国公立2次の問題より難しい場合があるとは認識していました。しかし、公立高校入試の国語の問題も難化しており、大学受験レベルに近づいています。兵庫県に限って言えば、2015年度の学区再編により明らかに国語が難しくなりました。2020年以降の大学入試改革を見据えた対応だと考えられます。

朝食を食べると成績は良くなるのか?

こんにちは。
個別教育リバースです。

以前、朝食を食べる子どもの成績がいいので「早寝早起き朝ごはん」という標語が流行ったことがありました。百マス計算で有名な隂山英男氏は自身のHPで以下のように述べています。

「本当に学力がある子は、早く寝て、早く起き、そして朝ごはんをしっかりと食べています。集中力も高く、学習もサッサとやってしまう能力も身につけているのです。つまり、頭が良いから早く寝ているのではなく、早く寝ることによって頭を良くしていたのだと考えられます。」(http://kageyamahideo.com/?page_id=83 2019年8月20日アクセス)

隂山氏は、「早く寝ること」が原因で、その結果、「頭を良くしていた」と学力を「因果関係」で捉えています。しかし、はたしてそうでしょうか。「早く寝ること」は「頭を良くしていた」ことの原因の1つ、すなわち「相関関係」なのではないでしょうか。

相関関係とは、「データ上、何かが変わると、それに合わせて別の何かも変わるというだけの意味」です。(水谷淳『科学用語図鑑』河出書房新社、2019年、P152)
水谷淳氏は、「【中略】データを見ると、確かに朝食を食べる子供のほうが成績が良いらしい。つまり相関関係はある。【中略】実際には、「親のしつけが良い」といった別の原因があって、それによって「朝食を食べる」と「成績が良い」という2つの結果がもたらされたのだと考えられる。つまり、ほかに共通の原因があるから相関関係が成り立っているだけだということだ。このようなケースを“疑似相関”という。」(同上P153)と述べています。
「親のしつけが良い」という別の原因に言及した水谷氏の方に説得力があります。
学力とは、暗記力、理解力、反復力、考え抜く力、やり抜く力などの「総合力」です。
もちろん、学力以前に「夜更かしをさせない」などの「親のしつけ」は不可欠です。You Tubeの見過ぎで睡眠時間が短ければ、学校の授業にも集中できません。そういう意味での「早寝早起き朝ごはん」は子どもに必要だと思います。

算数・数学が苦手な数学教師はいるか?

こんにちは。
個別教育リバースです。

英語を長年教えて来た講師の立場から言えることがあります。英語という科目は、「教える側も教わる側もわからなければ誤魔化せる」ということです。言い換えれば、英語の内容を分かっていない教師はその内容を生徒に暗記させてわかったつもりにさせるということです。
講師応募者で、英語が得意と自らおっしゃる方で英語のできる大学生に出会ったことがありません。英文の構造や文法が分かっていない方が大半でした。
それに対して数学は、問題が解けなければ分かっていないことが明白な科目です。そのため、学校や塾の算数・数学の先生は数学が出来る人がなるものと我々は思っています。

しかし、『分数ができない大学生』の執筆者の1人である芳沢光雄氏は、一部都道府県における教員採用数の激増について「ゆとり世代」の新卒者が大半を占めているとして以下のように述べています。

「もちろん、実質競争率が低く、試験問題は主にマークシート式である。つまり、算数があまり分かっていない者でも続々と小学校の教壇に立って教えているということである。速さや濃度の応用問題が解けないのは言うに及ばず、中には『3つの角度が全部異なる二等辺三角形がある』と生徒の前で平然と言ってのける教員までもいる。某都道府県の複数の採用担当者から直々に聞いたことであるが、『実質競争率が1倍ちょっとの現状では、算数ができない中でほんの少しできると思われるものをギリギリの採用基準としている』という現実がまかり通っているのだ。」(芳沢光雄『論理的に考え、書く力』光文社新書、2013年、P144)

このような人たちには、「中学校と高校では全く数学を学ばないで私立大学に入学」(同上P144)し、教員免許を取得し、「採用試験を堂々と受けに行く者が多くいる」(同上P144)そうです。

衝撃的な内容です。まさか算数の出来ない教師が小学生に算数を教えているとは、、、、、、
さらに芳沢氏は、「小学校教員に関しては赤信号、中学・高校の数学教員に関しては黄信号が点滅している状態であると断言できる」(同上P143)と述べています。

リバースの講師採用率は、15%以下です。学力と人間性の2つを兼ね備えた人ばかりです。安心して受講していただけたらと思います。