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大学入試改革前史~共通一次からセンターへ~

2019年10月01日

こんにちは。
個別教育リバースです。

来年2020年以降の大学入試改革について世間の注目が集まっています。しかし、現在の大学入試センター試験、またその前の共通一次試験が導入された経緯について我々はあまりよく知りません。今回は、現在の大学入試改革の参考にもなる「大学入試改革前史」について述べます。(池上彰、佐藤優『教育激変』中公新書ラクレ、2019年、P51~P56を要約)

「共通一次試験」は正確には「大学共通第一学力試験」と呼ばれ、1979年1月に導入されました。実施主体は、この試験のために1977年に設立された大学入試センターで、今は独立行政法人になっています。
この試験が導入されるまでは、国立大学の入試は「一期校」「二期校」に分かれて、各大学が独自の選抜試験を行っていました。「一期校」が旧帝大、「二期校」がそれ以外です。実施時期は前者が3月上旬、後者が3月下旬。その結果、「一期校」が本命で、そこに落ちたら「二期校」に行くという序列ができました。

「共通一次試験」導入のきっかけは、1972年2月に起こった「あさま山荘事件」です。
この連合赤軍事件の犯人たちが「二期校」の学生ばかりだったのです。それで当時の横浜国立大学の学長が国会に呼び出され追及を受けたのです。この学長は「当校にはさまざまなコンプレックスを抱えている学生も多く、」などと発言し、それを受けて国会議員が横浜国立大学に視察に行くなどの事態に発展しました。
その結果、「一期」「二期」の区別を撤廃し、全員が一度に受けられるような制度にしようとなりました。すなわち、最初から行きたい大学を選んで受験できるように改めようということです。加えて、旧国立二期校の多くは幅広い学部を擁する総合大学ではありませんでした。そのため入試問題を作る力を持っている教員の数が限られていました。結果的に奇問・難問が多くなり、本当の意味で学力を測るのが難しかったのです。それで優れた教員を集めて問題を作り、全大学一斉の試験を実施するシステムにすれば、そのネックも解消されるのではないかと考えられました。そして、「共通一次試験」の導入が実施されたのです。
しかし、数年もしないうちに「偏差値」によって全国の国立大学は序列化されていきました。その解消を目指して1990年に導入されたのが現在まで続く「大学入試センター試験」です。
共通一次からの主な変更点は、①各大学・学科が必要な科目を設定し、受験生はその中から選択できるようになった。②国公立大学は、二次試験を前期日程と後期日程の二度行うことになった。③私立大学の参加が認められた。指定する科目はどれでも、いくつでもよく多くの私立大学がこの試験を利用するようになった。

以上が、大学入試改革前史のあらましになります。是非、現在行われている大学入試改革について歴史的な文脈でとらえていただければと思います。

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