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英語民間試験利用延期から考えたこと

2019年11月04日

こんにちは。
個別教育リバースです。

様々な問題を含んだ英語民間試験の利用延期が決定しました。準備をしてきた現高2生の方々には申し訳ないですが、ひとまずはよかったです。
石原賢一駿台教育研究所進学情報事業部長は、「見直しをして2024年度から始めるといっても、数十万人全員に受けられる体制が民間で整わなかった以上、もう民間試験を使うのは難しいだろう。」(朝日新聞11月3日(日)朝刊)と述べています。私も同意見です。

英語民間試験を煽った教育産業関係者は反省すべきです。少し考えれば無理筋の話であるのは誰の目にも明らかなのに、この流れにのろうとしていました。受験生本位ではなく自分たちの利益を考えていたと批判されても反論できないのではないでしょうか。
マスコミの姿勢も問題です。英語民間試験利用延期が決まった途端に批判的な報道をしているように見受けられるからです。一貫性が感じられず残念です。

さて、同時期に東京五輪マラソンの札幌開催の報道もありました。この報道に接して、英語民間試験利用延期と同じ問題を孕んでいると感じました。
両者の共通点は、現状のままで行うと問題が発生しそうなので、一方は実施延期を他方は開催地を変更したことです。

うがった見方をすると両者の問題点は以下のようになります。

① 英語民間試験:全受験生に必要のないスピーキング試験を無理に導入しようとしたために、民間試験を利用するという発想になった。⇒ 全ての受験生に本当にスピーキング試験を課す意味・意義があるのか、ほとんど議論されていない(2019年11月2日(土)朝日新聞社説で同趣旨の提言が見られた)
⇒ 英語民間試験導入の会議は議事録などが非公開であり、利害関係者が英語民間試験導入を熱望したと言われています。英語教育の専門家は入っていなかったそうです。

② 東京五輪マラソンの札幌開催:そもそもなぜ酷暑が続く日本の夏の8月に東京でオリンピックをすることになったのか?なぜ、涼しくなる10月開催ではいけないのか?前回の1964年東京五輪は10月開催でした。
⇒ 五輪のスポンサーであるアメリカ企業の意向から、米国内でスポーツイベントのない8月開催になったと言われています。
両者ともに「受験生ファースト」「アスリートファースト」になっておらず問題です。資本主義社会ですので利権がからむこともあるのは理解できますが、あまりにも当事者を無視したものとなっています。
報道の表面をなぞっているだけではわからないことを書いてみました。このような批判的思考力が2021年以降の入試では問われてくるのです。

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