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国語について(小説編)

2019年08月30日

こんにちは。
個別教育リバースです。

本日は、前回の「評論文」に続いて「小説」について取り上げます。
(*文学的文章を中学高校受験では「物語文」、大学受験では「小説」と呼ぶ傾向があります。)

「評論文」と同様に、入試小説(物語文)も問題文は小説本の一部から切り取られています。中学高校受験では必ず出題されますが、大学受験では現行センター試験と一部国公立大学2次試験に出題されるのみです。
そのため、大学受験用の現代文の参考書、問題集では「小説」に特化したものは見受けられません。(『ちくま小説入門』『ちくま小説選』などの高校生用作品集はあります。)
しかし、新学習指導要領では「文学国語」が科目として新設される予定です。それにより、私立大学でも小説の出題が増える可能性があります。

趣味で小説を読むのと、入試小説を解くのは何が違うのでしょうか?よく言われるのは、センター試験現代文小説の問題文筆者が設問を解いたとしても、満点が取れないというものです。「文学としての小説」は読む人が自由に内容を解釈することが許されています。一方、「入試小説」では読解の決まりごとが隠されているというのです。

「そう教室ではたった一つのことしか言ってはいけないのだ。道徳的に正しいことだけを。国語も同じだ。【中略】現実にはたった一つの枠組でしか小説を読んではいないのである。
【中略】入試国語は具体的な場を持たない学校空間、すなわち「学校性」とでも言いたくなるような学校空間の本質が露わになる装置なのである。入試国語は紙の上の学校空間なのだ。」(石原千秋『大学受験のための小説講義』ちくま新書、2002年、P53 太字は引用者

中学高校受験の物語文では、いじめを肯定するや性的な内容の文章は絶対に出題されません。大学受験の小説でもほぼ同様です。(大学受験の小説問題ではまれに設問部分に性的な内容を暗示する選択肢が出てきます。いわゆるフロイト関係の文脈で)
本を読むのは好きだけど、物語文(小説)が苦手というお子さんには是非上記のことを教えてあげてください。石原氏の指摘する「道徳的に正しいこと」を意識するだけで驚くほど小説問題の正答率は上がります。

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